2022年8月23日

いまさら聞けない労務の話①

人を雇用してからの準備(労務管理)

企業が所有する財産であり、企業の運営においてとても重要な「ヒト」。
初めて従業員を雇用した企業の経営者はまず何をすればいいのか右往左往してしまい、ネットで
「従業員 雇用 はじめて」と検索する方も多いでしょう。

労務管理とは何?人事ではないの?

今回の主題である「労務管理」。
似たような言葉に「人事管理」「勤怠管理」等もあるかと思います。
これらの違いを具体的にご紹介します。

上記のように、労務・人事・勤怠、それぞれの管理業務には、それぞれ特徴があり区別できるものとなっています。労務管理とは、従業員の賃金や福利厚生などの労働に関することを管理する仕事のことです。労働時間の管理、賃金システムの見直し・管理等が業務に含まれます。従業員が高いパフォーマンスを発揮できるようサポートすることで、企業活動を円滑に進めるための重要な役割を担っています。

まずはこれを作ろう「法定三帳簿」

労務管理の基本となる「法定三帳簿」と呼ばれるものがあります。法定三帳簿とは、「労働者名簿」「賃金台帳」「出勤簿」のことです。これらは、労務管理において非常に重要な役割を果たしており、3年間の保存義務があります。また、退職金に関するものは5年間、雇用保険の被保険者資格に関するものは4年間、安全衛生に関するものも一定期間の保存が必要です。社会保険や雇用保険の手続きに必要となることも多いため、いつでも確認できるよう保管しておかなければなりません。

労働者名簿

労働者名簿は、従業員1人ひとりの情報をまとめたものです。
氏名や生年月日、住所、性別など、従業員の情報を詳しくまとめています。
この労働者名簿の保存期間は3年であり、退職・解雇・死亡の日が起算日として設定されています。

賃金台帳

賃金台帳は、従業員1人ひとりの賃金の支払い状況をまとめたものです。
氏名、性別、賃金の計算期間、労働時間数、基本給や手当等の種類と額、控除項目と額といった項目をまとめます。
賃金台帳の保存期間も3年であり、起算日は「最後の賃金について記入した日」となります。

出勤簿

出勤簿は、従業員の出勤状況を記録したものです。
具体的には、タイムカード等の記録、使用者が自ら始業・終業時刻を記録した書類、労働日数、労働時間などがあげられます。
保存期間は3年であり、最後の出勤日が起算日となります。

次回は労働者名簿について詳しく解説します!

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